去る2月1日(水)、日本保育協会 神奈川支部のみなさんへ向けて講演をしました。テーマは「職員一人ひとりの力を引き出す言葉がけとは〜円滑な職場環境づくりのために〜」。当日は南風が強い日でしたが、園長先生や主任保育士、事務局長など、50名を超える保育園の管理職の方々が足を運んでくださいました。会場は藤沢市藤沢公民館Fプレイス。300名は収容できそうな大きなホールです。

コロナ禍は、それまで当然と考えられていた、コミュニケーションにおける常識や価値観を大きく変えました。端的に言えば、これまでのアプローチをアップデートしていかなければ、コミュニケーションが円滑に行われなくなってきているのです。

それは、保育業界においても例外ではありません。集まった先生方は、新人保育士との価値観の違い、園内の職員関係、先輩後輩、もしくは同僚同士で、自分の意見をどのように伝え、また、それをどのように共有するかといったコミュニケーションの難しさに日々直面しています。

そのような問題にどのように対応するかについて、大阪芸術大学の学生たちから学んだ話をメインに、明治大学の学生を始めとする若者たち、さまざまな小学校の先生から伺った話、企業での講演の際に見聞きした話などを織り交ぜながら、90分間語りました。


いまの日本社会は大きくわけて、高度経済成長期〜バブル時代を経験した世代と、バブル崩壊後を生きてきた就職氷河期世代、ミレニアム世代(デジタル・フロンティア世代)、ジェネレーションZ(デジタル・ネイティブ世代)、その下のSDGs Kidsといった、多種多様な時代背景、価値観、常識を持った人たちで構成されており、それを前提としなければ言葉はうまく伝わりません。


その世代間ギャップ、ネットやリモートにおけるリテラシーギャップをどのように超えていけばいいのか、どのように伝わる言葉を作ればいいのかについて、昨今の広告戦略、脳科学の世界で言われている、お互いに嫌な気持ちにならない上手なコミュニケーション法やトレーニング法など、すぐにでも実践できる具体的な方策をアドバイス。先生方は身を乗り出して一生懸命メモを取っています。


最後に、厳しい社会情勢の中、それでも必死に生きている若者たちの現状を「笑顔」というテーマで書かれた作文を例に出して説明。「だからこそ、私たち上の世代は、批判でも批評でもなく、まずは彼らにポジティブな言葉と笑顔を向けましょう。『世界の共通言語は英語じゃなくて笑顔』という、彼らが大好きな高橋優の『福笑い』という歌のフレーズ、笑顔と言葉、Smile & Words、これが世代ギャップを埋める、いちばん大切なことだと思っている」と締めくくりました。


講演終了後に開催された親睦会でも話はつきません。打ちとけたリラックスムードの中「あの子たちが、未来なのだから」と熱心に語る先生がいらっしゃいました。未来、未来と何度も。「子どもは未来」これを比喩でなくおっしゃっています。

一人ひとりの小さな体の中に私たちの未来がある。
「未来、未来」と語り合っていた保育士さんたち、本当に素敵でした。

もしまた、なにかお役に立てることがあればいつもで呼んでください。
未来を育むお手伝いをさせてください。