6月18日(日)、築地にあるスタジオから 『ChatGPT時代の「読書感想文、作文の書き方」「本の選び方」』をテーマにオンライン授業を配信しました。
主催は「みんなをつなぐ新聞 ~朝小オンライン新聞~」。(株)朝日学生新聞社が発行するオンラインイベントと紙面を融合した媒体です。「朝日小学生新聞(以下、朝小)」の読者がZoomのチャット機能を介して、オンライン配信される授業と双方向にやりとりしながら番組と紙面が作られます。
昨年のリリース以降、毎日のように話題になるChatGPT。質問やキーワードを入力すると書籍やWEB上の膨大なデータから瞬時に答えを導き出してくれることから便利なツールとして機能する反面、人工知能を用いた自然な対話が可能なため、不適切な発言や誤った情報を拡散する危険性、様々な悪用の可能性などが指摘されています。
そのような新たな技術がやってきた時代に、小学生たちは自分らしい、ChatGPTには書くことのできない作文や読書感想文をどのように書けば良いのでしょうか?
今回の授業では、そのためのコツを具体例を出しながらわかりやすく伝授します。
本番前、打ち合わせののち進行台本に添いながらリハーサル。ここでセリフや資料の修正を含め、最終的な構成を決めていきます。
司会進行は文化放送アナウンサーで、元朝小読者の坂口愛美さん。このオンライン授業が始まった2021年から担当してくださっていて、ひきたよしあきとも息がぴったり。優しく落ち着いた語り口で、番組を進めていきます。
番組はひきたよしあきの著書『大勢の中のあなたへ』第1巻第3章「国語の力をのばしたいあなたへ」の朗読からスタート。『大勢の中のあなたへ』は2015年春に朝小で始まった、ひきたよしあきの原点のようなコラムです。
続いて、ChatGPTがどんな文章を書くのか、事前にChatGPTが自ら小学生向けに作成した自己紹介文を紹介。その中に「大事なことはChatGPTは本当の人間ではないことです。だから自分の意見を持っていたり、感情を感じたりすることはありません」とあります。
これを受けて、ひきたよしあきは言います。
「感情の入っていない、情報でしかない文章。そうではない、自分なりの文章を書くにはどうしたらいいか。ここが一番だいじ。いまの小学生のみなさんには僕たちの時代にはなかったいろんな苦労があると思うけど、それを乗り越えればもっといい書き方ができると思います。新しい時代の文章の書き方、コツをお話ししていきましょう」。
ChatGPTが持っていない感情や意見。
どうやらここにヒントがありそうです。
まず最初は「読書のためのコツ」です。
自分が読む本をどのように選べばいいのか、選んだ本をどのように読み進めるのか、読了後にするべきことは?などなど、自分に合う本の見つけ方、本との付き合い方、読んだ本を自分のものにする方法などを次々と話します。
その間にも、Zoomのチャットには授業を視聴している小学生や保護者の方から
なるほど!
やってみよう!
読書感想文がとってもわかりやすくなりそう。
めっちゃいい。
へえー!
コメントがひっきりなしに入ってきます。
つづけて「文書を書くためのコツ」です。
文書を書く時の基本、「起承転結」をつけて書くにはどうしたらいいか?原稿用紙をどう使えばいいか?起承転結の勉強ができる身近にあるものとは?を説明したのち、実際に読書感想文を書く際、これらをどう落としこめばいいのかを具体的にわかりやすく説明します。
ともすると「あらすじ」を書くだけで終わってしまう読書感想文。しかし「あらすじ」だけならChatGPTにも書けます。そこをどのようすれば、ChatGPTには書けない、自分だけの感想文になるのか。アメリカの小学生はどのように読者感想文の書き方を学ぶのかも織り交ぜながらワザを伝授していきます。
ここでもZoomのチャットには
わかりやすい。
たしかに!
びっくり‼️
説明がわかりやすい。
やってみます!
プロだ…!
学校じゃここまで教えてくれない!
学校で学べないことをここでしっかり学んでいく。
感嘆符の多さに、子どもたちの驚いた顔が見えるようです。
寄せられた質問にも一つずつ丁寧に答え、授業はエンディングに向かいます。
最後に、ひきたよしあきから小学生のみなさん、そして保護者のみなさんへ国語力の大切さをメッセージ。
「物事を考える力、何かを解く力というのは、読解力がないとできない。英語にしても数学にしても、読む力があって初めてできる。すべての勉強は国語力があってこそ。その国語力は小学生のうちに身につけないと、中学、高校に進んでからでは忙しすぎてなかなか難しい。国語の勉強は本を読むことから。小学校のいまが一生モノの読書力を作ることができる時期です。ぜひ読書しましょう、そしてそれを書きましょう」。
モニターいっぱいに💗や👏、🎉が飛び乱れる中、授業は終了。反響の大きい充実の神回でした。
ChatGPTが当たり前になる時代、小学生たちにどのように読み書きを教えるか。ひきたよしあき自身も勉強になったそんな一日。
みんな、進みながら強くなろうね。