成羽を歩いた翌日、瀬戸内海に臨む岡山県玉野市で開催された「第60回 岡山県中学校長研究会 玉野大会」で講演をしました。2日間にわたり開催された大会の締めくくりを飾る基調講演です。
会場は玉野市総合体育館。大きなアリーナに、県内から集まった校長先生方と教育委員会のみなさん、総勢150名近くの人たちの声が響いています。校長先生といえば「歳上の怖い人」という印象を持ち続けてきましたが、よく考えればみなさん50代。快活で、晴朗な声と熱意が会場内に満ちていました。
教育現場も日々、コミュニケーションについて悩んでいるそうです。そこで、ひきたよしあきは大阪芸大をはじめ多くの学生、生徒に接している経験を踏まえ、いまどきの子どもたち、保護者の考え方を紹介。岡山にゆかりのあるシスター渡辺和子氏の言葉をまじえながら、若い世代に向けたコミュニケーションスキルについて語りました。
シスターの言葉を引用したのは、勤勉で実直で働き者の先生方にも、自信と生きる勇気と愛情を持ってほしい、少しでも明るい気持ちになってほしいというエールがこめられています。
壇上からは先生方が真剣にメモを取る様子が見えます。大きくうなづいてくださる方もいました。さまざまな課題を抱える中学校教育のお役に立てたなら、とてもうれしく、誇らしいことです。
今回はうれしい再会もありました。
コロナが始まった頃、岡山の中学校から相談を受けました。学校を統廃合して一貫校にする。それも島の学校を含めて。先生たちのリストラ問題、生活圏の違う生徒たちの文化の違い、かなりの難問が山積みでした。そのときモニター越しに話をした2人が、校長先生と副校長先生になって控室にあいさつに来てくれたのです。
「ひきたさんに提案されたことを実践したら、先生も生徒も一気に活気づきました。おかげさまで順調にすべり出し2年が経ちました! ぜひ次に岡山に来たら遊びに来てください! 大歓迎です!」。
うれしかった。みんなが笑って暮らせる国がこうして一つ一つできていく。岡山に笑顔の学校ができたことがほんとに素晴らしいです。
招聘してくださった先生方、本当にありがとうございました。
とても勉強になるとともに、晴れの国・岡山のような明るくて心に残る時間を過ごすことができました。