春休みが始まったばかりの3月25日(土)、大阪メトロ西中島南方駅近くの類塾(るいじゅく)本部で講演を行いました。西中島南方は新大阪駅から地下鉄でひと駅、歩いて10分ちょっとの場所にあります。
類塾は、「未来に生きる力を育てる教育」に主眼をおいた塾で、「学習指導」に加え、正解のない課題に向き合い追求心を磨く「探求講座」、好奇心やチャレンジする力を引き出す「本格的な自然・職業体験」といった、いわゆる成績順に席順が決まるような学習塾とは一線を画したユニークな教育に定評があります。
今回は、そんな類塾に通う新4年生以上の子どもたちとその保護者のみなさんへ向けて「親も子も話すこと、書くこと、自分が好きになる!〜言葉のマグネットで自分の言葉の世界をひろげよう〜」というテーマで、たっぷり2時間半お話をしました。
聞くところによると、当初は定員を50名にしていたそうですが、募集開始2日目には定員に達しそうになってしまい、急遽定員を70名に増やしたそう。当日は69名の人たちが集まってくれました。気合が入ります。
「こんにちは!」と言うと、元気な声で「こんにちは!」と挨拶を返してくれる類っ子たち。いつものように挨拶の大切さ、礼儀やマナーもさることながら、大きな声ですることがだいじなんだという話から講演はスタート。「挨拶の声の大きい者がその場を制する」という思いもよらなかった話に、子どもも大人もぐいぐいと惹きつけられていきます。
そして、この日の「約束ごと」を決めます。それは、発表者には惜しみない拍手とエールを贈ること。批評、批判の目で見ず、発表の中の良いポイントを学ぶこと。
この日の講演は2部仕立て。第1部は座学、第2部はワークショップです。
第1部の最初のお話は「心を強くする方法」。父親の仕事の都合で転校ばかりしていた小学生時代の逸話を紹介しながら、自分自身にレッテルを貼らないこと、親は子どもにレッテルを貼らないことと説きます。
なぜレッテルを貼るとダメなのか、レッテルを貼るとき脳はどういう働きをするのかという話を具体例も出しながら説得力を持って話します。でも、どうしても貼ってしまいそうになるときにはどうすればいいのか? その対処法を伝授することも忘れません。会場のみなさんはメモ、メモ、メモ。
「今日限りここには、算数が苦手な子はいない、口ベタな子もいない。だらしがない子も、作文がヘタな子もいない」。ひきたよしあきの言葉に、ぱっと顔が明るくなる子どもたち。
この日参加したのは子どもたちは、9歳〜15歳。この年頃の子どもたちに訪れる心の変化――小さい頃は平気だったのに人前で話すのが怖い、親がうっとうしい、他人の目や評価が気になる――はあって当たり前なのだという話へと続きます。
いまは子どもから大人へ成長している過渡期、自我が芽生える時期なのだから、もし、他人の評価や目が怖くなったり、親に対していらだちを覚えたら「自分は成長しているんだ。こういう時期なんだな」と思えばいいとの話に、今度は親たちがうなずいています。
「さて、それでも人の目や評価が気になってしまうときはどうしたらいいか?」。
そんなときには、と次の5つのメンタル強化法を伝授。
1. こっちから見る。
2. 2-6-2の法則。
3. 人生は地図である。
4. 「あ行」の力、「す」の力。
5. 「どうせ、うまくいくんだ」。
子どもたちはもちろん、一生モノのメンタル強化法に大人たちもメモをとる手が止まりません。みなさんが真剣に聞いてくれるのが嬉しくて、最初のお話「心を強くする方法」だけで第1部60分間のうち45分間も話してしまったひきたよしあき。時間配分に長けた氏にしては珍しい展開です。それだけ熱がこもったのでしょう。
「時間を巻いて、次は勉強のコツについて話します」。
ひきたよしあきが小学校4年生から6年生まで通っていた藤原塾で習得した勉強法です。藤原塾は灘中学校を受験する子どもが多く通う塾で、習字もピアノも続かなかったひきたよしあきが面白くて通いつづけた塾です。そこではまったく勉強を教えない。ただ一つ、勉強のやり方を教えてくれたそうです。そこで習得したコツの中から、この日は3つをご紹介。会場中から興味津々な空気が伝わってきます。
1. 難しいところに○をつける。
2. 授業のあとに今日習ったことを3つ思い出す。
3. 間違いノートを作る。
カッカッカッカッ…。メモを取る音が響きます。
第1部の最後は「話し方のコツ」について。時間が巻いているので展開が早いです。
1. どうしたら緊張しないか。緊張したときの対処法。
2. 話すときの発声のコツ。
3. 手のひらを見せる。顔の近くで手を振る。
4. 人を指差すときは円を描くように。
5. ケネディチョップ。
第1部の講義はここまでです。駆け足でしたが、雰囲気や様子が少しは伝わったでしょうか?(お伝えできていると嬉しいです)。